家庭菜園の初心者の方向けに、セロリ(セルリー)の栽培方法を紹介します。
基本情報
さわやかな香りとシャキシャキとした食感が人気のセロリ(セルリー)。
セロリは葉も食べられますが、茎(葉柄)を中心に利用します。
色白で肉厚、柔らかい茎に育てるには、たっぷりの水分と肥料で生長を早め、遮光して軟白栽培するのがポイント。
夏場の乾燥と肥料切れに注意して育てましょう。
- 苗を大きく育ててから定植すると、大柄に育てられる
- 元肥をしっかり施し、こまめな追肥で肥料切れさせない
- 乾燥に弱いので、敷わらと水やりをしっかりと行う
栽培時期
セロリ(セルリー)の栽培カレンダーです。
中間地を基本とした目安です。地域や品種によって時期に幅があります。
家庭菜園では、6月頃に種まきをして12月頃に収穫する、春まき秋どり栽培が一般的です。
栽培方法
セロリ(セルリー)の栽培は、次のような流れになります。
種まき・育苗
ポット(3号:9cmサイズ)に4〜5粒ずつ種をまき、軽く覆土して、たっぷりと水をやります。
セロリは発芽するまで10〜14日ほど掛かるので、発芽するまで乾燥しないよう注意しましょう。
また、生育適温が15〜20℃と冷涼な気候を好むため、真夏には遮光資材などで高温対策を施しましょう。
庭やベランダで作る簡易な育苗ハウス・ビニール温室本葉3枚の頃に間引いて1本立ちにし、本葉7〜8枚の大きな苗になるまで育苗します。
育苗日数 | 発芽適温 | 生育適温 |
---|---|---|
約75日 | 15〜20℃ | 15〜20℃ |
セロリは種をまいてから植え付けまで約75日と長期間の育苗が必要となるため、家庭菜園などで少しの株数しか育てないのであれば、市販の苗を利用するのがオススメです。
土作り
植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。
セロリは肥沃な土壌を好み、乾燥に弱いため、十分な堆肥を施して、多肥・多灌水できる土壌にしておきます。
また、酸性の土を嫌うので、土壌酸性度(pH)を適正に調整しておきましょう。pHの目安は6.0〜6.5です。
肥料
栽培期間を通じて肥料切れを起こさせないように、たっぷりと元肥を入れ、定期的に追肥します。
肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。
植え付け
本葉7〜8枚まで苗が育ったら畑に定植。株間40cmで植え付けます。
定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。
敷わらマルチ・水やり
活着したら、表面に土がやや見える程度に「敷わらマルチ」をして、乾燥を防ぎます。
多くの水分を必要とする野菜なので、土壌表面が乾かないようこまめに水やりをしましょう。
追肥
肥切れさせないことが、良質なセロリ作りの基本です。
2〜3週間に1回のペースで株間に追肥を施し、つねに肥効を落とさないようにしましょう。
最終の追肥は収穫20日前までにします。
摘葉・芽かき
外葉が12〜13枚になる頃、芯葉が立ち形に生長し始めます。
芯葉が旺盛に育ってくると、外葉はしだいに枯れてくるので、黄変した外葉はかき取ります。
また、株元から発生するわき芽もかき取っておきます。
遮光・軟白
育つにつれて、茎葉が重なり合って白さが増します。
新聞紙やダンボールなどで包んで日光を遮ると、いっそう白く柔らかく育ち、良質なセロリになります。
草丈30cmの頃、茎の部分を新聞紙で包みます。遮光後1ヶ月ほどで、葉柄が白くなります(軟白)。
収穫
草丈が40〜50cmに生長したら収穫適期。株元を切って株ごと収穫します。
一度に消費するには量が多いので、家庭菜園では外側の茎から剥ぎ取って少しずつ収穫するのがオススメです。
連作障害とコンパニオンプランツ
連作障害
同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。
セロリは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。
コンパニオンプランツ
違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。
セロリと相性のいい野菜には次のようなものがあります。
コンパニオンプランツ | 効果 |
---|---|
サトイモ | サトイモの株間の日陰でセロリを育てることで、白く柔らかいセロリに育つ。また、セロリはセリ科で強い香りがあり、サトイモにつく害虫を忌避する。(サトイモの土寄せが終わった8月中下旬に、株間にセロリを植え付ける。) |