コナジラミ被害の症状と対策・予防法

野菜の害虫「コナジラミ」

植物を吸汁加害し、葉を揺らすと白い粉が舞ったように飛び交う害虫「コナジラミ」。

その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。

症状と被害

コナジラミが発生しやすい野菜
インゲン キュウリ トマト

成虫・幼虫とも葉裏に群棲して吸汁加害し、葉を揺らすと白い粉が舞ったように飛び交います。

吸汁の被害により、葉の葉緑素が抜け白いカスリ状になり、生育が悪くなります。

また、吸汁加害による直接被害に加え、次のような間接被害にも注意が必要。

間接被害

ウイルス病に感染した植物を吸汁したコナジラミが、次に健全な植物に移動して吸汁する時に、ウイルス病の病原菌を伝播します。

マクワウリに発生したウイルス・モザイク病 ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

また、コナジラミの排泄物は粘着状でベタつき、葉や枝の上に付着するのですが、そこに「すす病」が誘発されて黒ずむことがあります。

MEMO
すす病

すす病は、アブラムシやコナジラミなど吸汁性害虫の排泄物に黒いカビが生えた状態のこと。

葉の表面が覆われることで光合成を阻害したり、作物の品質を著しく落としてしまいます。

生態

コナジラミは「シラミ」といっても、人や動物に寄生して血液や体液を吸うシラミとは違い、植物にのみ寄生します。分類的にはカメムシの仲間で、アブラムシやアザミウマなども同じタイプ。

成虫は体長2〜3mmの白いハエのような虫です。

コナジラミ

高温で乾燥した環境を好むため、温室やビニールハウスでよく発生します。

成虫は葉裏に産卵し、孵化した幼虫は移動が少なく葉裏に定着、蛹の中で体を作り変えて成虫になります。

防除方法

対処法

コナジラミは水に弱いので、葉裏に水を吹きかけます。水を散布しただけでも密度が下がります。

確実に防除するには薬剤散布が有効です。

有効な薬剤(農薬)

薬剤防除に有効な農薬には、次のようなものがあります。

ベニカ水溶剤」は、有効成分が植物体内に吸収され効果が持続する浸透移行性の殺虫剤です。植物の汁を吸う害虫はもとより、葉を食害する害虫や甲虫類にも優れた防除効果を発揮します。

ベニカナチュラルスプレー」は、3つの天然由来成分(B.t.菌・植物油・水あめ)で、食べる直前まで使える殺虫殺菌スプレー。植物油がコナジラミを物理防除します。

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

予防法

繁殖力が強いため、何よりもまず最初の飛来を防ぐことが大切です。

コナジラミは黄色に誘引される性質を利用して、黄色の粘着板や粘着テープを株の周囲に設置すると効果的です。

また、特定防除資材「ピュアベニカ」を葉面散布しておくと、コナジラミの予防効果があります。有機JAS規格(オーガニック栽培)にも使える食品成分(食酢)100%のスプレーなので、あらゆる植物に、食べる直前まで使えます。