捨てるところのないお米作り(稲作)

捨てるところのないお米作り(稲作)

今年も稲刈りを終えてホッとしているところですが、お米作りをしていて思うのは、稲って捨てるところがないなーと。

稲刈りしてから精米して食卓に並ぶまでの過程で、白米の他に「稲わら」「もみ殻」「米ぬか」が出ますが、これら全て有機質資材として畑に有効活用することができます。

畑でいろいろ栽培しているうちにはとても大切な資材で、こんな使い方をしています。

稲作の収穫残さ

まずは、水稲栽培でのお米作りの流れをまとめていますので参考に。

すくすく育った稲を収穫〜白米になるまでに、稲刈り→もみ摺り→精米という工程を経ます。

  1. 稲刈り:稲 → 稲わら、もみ
  2. もみ摺り:もみ → もみ殻、玄米
  3. 精米:玄米 → 米ぬか、白米
稲作ででる作物残さ・収穫残さ(稲わら・もみ殻・米ぬか)

その過程ででる収穫残さ(稲わら・もみ殻・米ぬか)を畑に活用していきます。

稲わら

刈り取った稲から「もみ」が取り除かれ、残った「稲わら」。

この稲わらを結束して立てておき、3〜4週間ほど乾燥させてから保存します。

稲わらを束ねて立てて乾燥させる

乾燥させた稲わらは、そのまま畝に敷いてマルチングにしたり。

稲わらマルチ
MEMO

敷き藁マルチは、フィルムマルチよりも夏場の乾燥、地温の上昇を防ぐ効果がはるかに大きく、有機物の増加による副次的効果も期待できます。また、地這い性の野菜はツルがワラに巻きヒゲを絡ませて伸長するので、地表に固定されて風雨にも強くなります。

エンドウマメの防寒に使ったり。

エンドウマメを稲わらで囲って防寒

果樹の防寒に、コモを編んで「こも巻き」にしたり。

昔は、稲わらでお正月のしめ縄を作ったりもしていたそうです。

尚、ここで使う以外の稲わらは全て、土作りのために田んぼにすき込んでいます。

もみ殻

収穫した「もみ」は、もみ摺りをして「もみ殻」を取り除き「玄米」になります。ここで大量の「もみ殻」が出ます。

籾摺りで排出されるもみ殻

もみ殻は軽くて、形がいい(空気や水を保って通気性・排水性の改善)、ケイ酸を多量に含むなどの特徴があるのですが、そのまま土に入れても分解しにくいので、加工して土壌改良資材として使います。

発酵させて「堆肥」にしたり。

完成した籾殻堆肥 籾殻堆肥(もみ殻堆肥)の作り方と必要材料

燻焼きにして「くん炭」にしたり。

自家製もみ殻くん炭(籾殻燻炭)の作り方 自家製もみ殻くん炭(籾殻燻炭)の作り方

完全に焼いてしまって灰にして使う方もおられます。

そのままマルチング資材として使ったり

もみ殻マルチ

また、通気性・断熱性・保温力・吸湿力のあるもみ殻は、冬場の芋の保存にも使えます。

種芋をもみ殻を入れて地中に保存

他にも、もみ酢にして害虫防除、育苗培土にと使い方はいろいろ。

もみ殻をもっと活用するなら、この本が参考になります。

米ぬか

「玄米」を「白米」に精米する際に出る「米ぬか」。

米ぬか

米ぬかは生物の成長に必要な多くの成分を含んでいます。あらゆる微生物のエサになるので、「ぼかし肥」や「堆肥」に欠かせない資材。

うちでは、米ぬかを中心にした「ぼかし肥料」を作ったり、堆肥を作る際の「発酵促進剤」として利用しています。

完成した米ぬかボカシ肥 米ぬかボカシ肥(ぼかし肥料)の作り方と必要材料

また、米ぬかを表層散布して土ごと発酵させたり、米ぬかをまくことで灰カビ病が抑えられたなどの話も。

そして、自然の栄養分が濃縮されている米ぬかは、昔から身近な食べ物に利用されています。米ぬかを発酵させた「ぬか漬け」。

ぬか漬け

米ぬかに繁殖した乳酸菌や酵母が、漬け込まれた野菜や魚をさらに美味しくしてくれます。

いつか自分ちで作った米ぬかで自家製ぬか床を作ってみたいなー。

米ぬかの活用法は他にも色々あります。私ももっと使いこなしたいなと、この本で勉強中。