自家製 もみ殻くん炭(籾殻燻炭)の作り方

自家製もみ殻くん炭(籾殻燻炭)の作り方

もみ殻をいぶし焼きにして炭化させた「もみ殻くん炭(もみがらくんたん)」は、様々な効果がある優れた土壌改良資材。

うちでは、お米の収穫ででた「もみ殻」を使って自分で作っているので、その作り方を紹介します。

もみ殻くん炭とは

もみ殻くん炭は、お米の収穫後に出る「もみ殻」をいぶし焼きにして炭化させたもので、いわば「もみ殻の炭」。軽くて扱いやすく、土づくりに幅広く活用されるアルカリ性の土壌改良資材です。

自家製もみ殻くん炭(籾殻燻炭)の作り方

主成分であるケイ酸やカリウムをはじめ、微量要素も豊富に含まれており、痩せた酸性土壌に堆肥と一緒に混ぜ込むことで、pHを調整し、多くの植物が育ちやすい土壌環境をつくることができます。

また、炭ならではの多孔質な構造が土中の微生物の棲み家となり、生物性の改善にも効果的。通気性・排水性・保肥力を高め、土をふかふかにして根張りを良くするなど、多面的に働く優れた資材です。


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もみ殻くん炭の必要材料

もみ殻くん炭を作るのに必要なものは次の通り。

  • もみ殻
  • もみ殻くん炭器(くん炭煙突)
  • 薪/枯れ枝/ワラ/新聞紙
  • たっぷりの水
MEMO

もみ殻は、お米の収穫後に行う「籾摺り(もみすり)」作業で排出されます。近所の米農家さんに安く譲って頂いたり、ホームセンターなどでも購入できます。

もみ殻くん炭器には、スチール製とステンレス製があり、ステンレス製は約1000円高くなります。

しかし、くん炭器は熱と水にさらされるため錆びやすく、耐久性を考えるとステンレス製の方がおすすめです。

もみ殻くん炭の作り方

まずは、動画で流れを確認。

注意

大量の煙が出るので近隣への配慮は忘れずに!

まず、もみ殻を山積みにします。

もみ殻を山積みにする - もみ殻くん炭作り

もみ殻くん炭器。うちのは自家製です。

自家製もみ殻くん炭器

くん炭器の箱の中に、ワラを詰め込み、着火用に丸めた新聞を入れます。

もみ殻くん炭器にワラを詰める

で、もみ殻の山の中央に穴をあけ、もみ殻くん炭器を設置し、新聞に火をつけます。(または、薪や枯れ枝を燃やして、その上にくん炭器を被せて立てる)

自家製もみ殻くん炭器

火がついたら、煙突の先が少し出るくらいまでもみ殻をかぶせていきます。

MEMO

最初のうちは風上をもみ殻でふさがず、空気が入るようにあけておき、次第に埋めていきます。

最初の内は白い煙がモクモクと出続けますが、しばらくすると煙の色も透明になってきます。

もみ殻くん炭作り

山の中は蒸し焼き状態になり、煙突の側から焦げ付いていくので、スコップでもみ殻の山の中と外を混ぜ返します。

注意

かなり熱くなっているので、混ぜ返す時は足元に注意。長靴が溶けます

混ぜ返す - もみ殻くん炭作り

もみ殻の量や風の状態などにもよりますが、全部が炭化するまで(黒くなるまで)混ぜ返し続けます。

放置しすぎると灰になって使い物にならなくなるので、火の回りを見て適度に水をまいて調整します。

水を掛ける - もみ殻くん炭作り

で、今回の場合は、量がかなり多めで、もみ殻が少し湿っていたこともあり、火をつけてから完成まで40時間掛かりました…

MEMO

うちの場合、くん炭器一つに対してもみ殻の量が多すぎるので時間が掛かりますが、適切な量だと1日くらいで完成します。

夜も様子を見に来て混ぜ返し。

夜通し掛かる - もみ殻くん炭作り

翌日の夕方になって、やっとこの状態。まだ半分くらい。

半分ほど炭化 - もみ殻くん炭作り

2日目の深夜(早朝)にやっとこさ完成。

夜通し掛かる - もみ殻くん炭作り

中も外も真っ黒の状態になったら、山を崩して広げ、水をドボドボに掛けて冷まします。

真っ黒で完成 - もみ殻くん炭作り
MEMO

時間が経っても再び燻り出す場合があるので、数時間後に混ぜ返して再度水を掛けておくと安心です。

半日ほど置いて、くん炭が冷めたら袋詰め。

冷めたら袋詰 - もみ殻くん炭作り

再発火を防ぐため、もみ殻くん炭は湿ったまま、ビニール袋に詰めて外で保管するようにします。

で、今回できたもみ殻くん炭は、40リットル×45袋になりました。

完成して袋詰したもみ殻くん炭

もみ殻くん炭は、作るのが難しい場合(手間がかかる、煙で近所に迷惑をかけるなど)には、ホームセンターや通販で購入することもできます。

もみ殻を使いこなす

もみ殻は、日本に稲作がある限り毎年必ず生み出されてくる地域資源。

稲わらに比べ邪魔者扱いされることも多いのですが、もったいないのでもっと色々活用したい。そんな方はこの本がオススメです。

くん炭の作り方・活用法の他にも、もみ殻堆肥、もみ酢、土壌改良や育苗への活用法など、農家の知恵と工夫が満載。