いつもシンワ測定のアナログ式の土壌酸度計(pH測定器)を使っているのですが、デジタル式のモノも入手。
計器の正確性を確認するため、試験液で測ったpH値と比較してみました。
pH測定(1回目)
デジタル/アナログ土壌酸度計
使用するのは、どちらもシンワ測定の土壌酸度計。
- デジタル式:精度:±pH0.5(表示単位0.5)
- アナログ式:精度:±pH0.5
どちらも精度±pH0.5とあるため、測定比較で差異が出ることは考えられますが、いざ実測。
正確に測定できるよう、まずは測定箇所に水を撒きます。
計器を土に挿して30秒待ちます。
- デジタル式:pH5.5
- アナログ式:pH5.4
デジタル式は0.5刻みなので、ほぼ同じ値を示していることがわかります。
pH測定液(試験液タイプ)
測定箇所の土を採取してpH値を測定します。
使用するのは、住友化学園芸の酸度(pH)測定 アースチェック液。
土壌1に対して水道水2の割合で加え、よくかき混ぜます。
しばらく待って水が澄んできたら上澄液を2.5cc試験管にとるのですが… 1時間待っても採取できるほどの上澄液ができないので、コーヒーフィルターで濾過しました。
ここに試験液を3滴加え、蓋をしてよく振ります。
土壌酸度(pH)によって色が変わるので添付の比色表で測定します。
写真で見る色は目視したものと少し違うように見えますが、目視では5.7あたりに見えました。
石灰を投入
pH測定値を評価するにあたり、最低2種類の土壌を計測する必要があります。
今回は、苦土石灰を投入した前後比較を行います。
pH測定(1回目)からpH値1.0を上げるべく、苦土石灰を150g/m2投入しました。
pH測定(2回目)
石灰投入から2週間おいて、1回目と同様の方法で計測。
デジタル/アナログ土壌酸度計
- デジタル式:pH6.5
- アナログ式:pH6.6
石灰投入でほぼ狙い通り+1.0となりました。今回もデジタル/アナログ式でほぼ同じ値を示しています。
pH測定液(試験液タイプ)
写真で見る色は目視したものと少し違うように見えますが、目視では6.5あたりに見えました。
比較結果
測定結果は次のようになりました。
測定1回目 | 測定2回目 | |
---|---|---|
デジタル式 | 5.5 | 6.5 |
アナログ式 | 5.4 | 6.6 |
試験液 | 5.7 | 6.5 |
試験液で測定した値を基準と考えると、測定1回目は若干の差異があるものの、誤差範囲内ではないでしょうか。
デジタル式もアナログ式も、どちらも値段がリーズナブルなpH測定器にも関わらず精度の高い値を計測することができるので、家庭菜園や小規模農場などではこれで充分ではないかと思います。
デジタル式は0.5単位の表示になりますが、値が見やすいことの他に、土壌温度、照度、土壌水分、塩分濃度も簡易的に測定することができます。
デジタル式の0.5単位よりも細かく値を測りたいなら、アナログ式の方が良さそうです。この測定器は電池も不要なので一つ持っておくと便利です。(私もメインで使っていきます。)
より信頼性の高い測定をするのであれば、試験液タイプとなります。
酸度(pH)測定 アースチェック液は、上澄液を採るのが面倒ですが、45回計測分の測定液がついていて価格もリーズナブル。
いずれにせよ、土作りの際はpH測定をした上で、適切な量の石灰を投入することが大切です。
闇雲に石灰を投入していると、作物の生育不良や土が固くなる原因にもなります。また、石灰資材の節約にも繋がりますので、是非お試しあれ。