キュウリ栽培

キュウリの栽培方法・育て方のコツ

キュウリ栽培

家庭菜園の初心者の方向けに、キュウリの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

キュウリ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

キュウリ栽培の特徴

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
キュウリ ウリ科 6.0〜6.5 あり:輪作年限2〜3年

インドのヒマラヤ山麓が原産地のキュウリ。

夏野菜の代表格ですが、時期をずらして栽培すれば初夏から秋まで収穫可能。1株で30本〜40本の収穫が見込めます。

生育スピードが早い(種まきから収穫まで約70日と、オクラやインゲンと並んで果菜類の中で最も生育が早い)ので、肥料切れと水不足を起こさないような管理が重要。

また、つるが旺盛に伸びるので、適正に整枝をして風通しを良くすることが大切です。

収穫が遅れるとヘチマのように大きくなり、コリッとした食感や食味も薄れるので、早め早めに収穫していきましょう。

栽培のポイント

  • 病害虫を予防するため、支柱を使ってつるをはわせ株元の風通しをよくする
  • 春まきから時期をずらして何度か作れば、長く収穫可能

キュウリの栽培時期

キュウリの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

春まきはポットで育苗して定植、夏まき・秋まきは直播きになります。

キュウリの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

キュウリの栽培方法

キュウリの栽培方法は、次のような流れになります。

種まき・育苗

キュウリの種
キュウリの種まき
キュウリの苗
育苗

9cmポットに3粒ずつ種をまき、厚さ1cmほどの覆土をして、たっぷりと水をやります。

双葉がでて本葉がで始めた頃、間引いて1本立ちにします。

ポット苗は、ビニール温室などの暖かい環境で育苗します。

⇛ 庭やベランダで作る簡易な育苗ハウス・ビニール温室

また、「つる割病」など土壌伝染性病害の予防や、温度や土壌水分などの環境条件に対応しやすくした、カボチャを台木とした接木苗なども販売されています。

土作り

キュウリ栽培で大切なのが土。根がしっかり張れば良質なキュウリがたくさん採れます。

根は浅く広く張るので、過湿や乾燥に弱く、排水性や通気性が悪い土だとうまく育ちません。また、成長が早く肥料切れを起こしやすいので肥沃さも必要です。

根が張りやすいように深さ15cmまでよく耕し、排水性を高めるために高畝にします。

pHは6.0〜6.5が目安です。

肥料

浅く広く張る根に合わせ、畝全体にまんべんなく元肥を鋤きこんでおきます。

キュウリは、茎葉を伸ばしながら実をつけていくので、栽培期間を通じて、バランスよく肥料を効かせます。「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

但し、いちどに大量の肥料を与えると根やけを起こして生育が悪くなるので注意。少しずつ何度も追肥することで調整します。

植え付け

キュウリ苗の植付け
キュウリ苗の植付け

本葉が3〜4枚出たら畑に定植します。

株間60cmほど。つるの先が風で傷まないよう、仮支柱を立てて誘引しておきます。

定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。

晴天の暖かい日の午前中に植え付けると、活着がよくなります。また、若苗の方が定植後草勢が強くなります。

また、キュウリは肥料好きなので、植えたあとに苗のまわりに堆肥または腐葉土をかぶせておくと良いです。

連作障害・コンパニオンプランツ

キュウリは、連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。

また、キュウリの代表的な土壌病害「つる割病」を予防するには、コンパニオンプランツとしてネギを一緒に植えるのがオススメです。

植え穴を大きめにしてネギを2本底に置き、その上にキュウリを植えると、ネギの根に病原菌を防ぐ拮抗菌が繁殖してキュウリの病原菌を防ぐ効果があります。

支柱立て

キュウリ栽培の直立型支柱
支柱立て(合掌型)

支柱は、1列で栽培する場合や株数が少ない場合は直立型、2列なら合掌型に支柱を立てます。

早めに支柱を立てて、親づるを誘引しておきます。

キュウリネットに絡みつく巻きヒゲ

また、キュウリネットを使用するとツル(巻きヒゲ)が勝手に絡みつくので誘引の手間が省けます。

敷きワラマルチ

キュウリ栽培に敷きワラマルチ

キュウリは本来、地面を這って生育する植物。

そのため、支柱に誘引する場合は、地を這う茎葉の代わりに、浅い根を守るために敷きワラや刈草を敷くと良いです。

尚、ワラは薄めに敷くこと。ワラが厚すぎると、水分が地表まで十分にあるため、浅根を好むキュウリは敷きワラと土の間に根を伸ばします。

このため、天候による過乾・過湿の影響を受けやすく、生育障害や病害虫の発生原因となりやすくなります。

整枝・摘芯・摘花・摘葉

キュウリの脇芽かき

生育初期に根を十分に伸ばして、根張りを良くしておくことがキュウリ栽培の秘訣。

そのため、5節〜8節までのわき芽・雌花は摘み取ります。

キュウリの5節〜8節までのわき芽・雌花は摘み取る
キュウリわき芽かき後

それより上にあるわき芽は子づるとして伸ばします。

子づるに雌花がついたら、その先についている葉を2枚残し、そこから先のつるは摘み取ります(子づるに1〜2果が目安)。葉がなくなると果実に成長しません。

キュウリ子づるの摘芯

また、摘葉は風通しや採光を良くして果実品質を高め、管理作業をしやすくするために欠かせません。黄色に老化した葉や病害虫に侵された葉は適時取り除きます。

但し、下葉を除きすぎると樹勢の低下を招きやすいので注意しましょう。

追肥

キュウリの花はつるが伸びてきた頃から咲き始めます。

キュウリの花

ガクの部分に膨らみがあるのが雌花、ないものが雄花です。

キュウリの雌花
キュウリの雄花

実がなりだした頃に、1回目の追肥を株間にまきます。

その後、収穫が続いている間は、2週間に1回のペースで追肥をします。

1回目は株元に、2回目は畝の肩に施す、というように根の成長に合わせて追肥の場所を変えてやります。

人工授粉は必要ない

キュウリの花は雌雄異花で、自然条件下での受粉は虫媒による他花受粉が行われます。

しかし、キュウリは「単為結果性」が強く、受粉しなくても結実する性質があるため、人工授粉の必要はありません。

肥大期に水分不足にならないようにする

キュウリの95%以上は水分であり、土壌水分は果実の肥大に重要な役割を果たしています。

そのため、果実の肥大期に水分が不足すると、果実の肥大が著しく悪くなったり、曲がり果や尻細り果など、「変形果」を生じやすくなります。

そのため、水やりはしっかりと行うようにしましょう。

収穫

キュウリの収穫

実がつきはじめたはじめの2、3本は、小さいうちに収穫したほうが株の成長のために良いです。

その後は、長さ20cm〜22cmくらいになったものから収穫します。

収穫の際、実のイボがとれると鮮度が落ちてしまうので、首のほうを持ち、ハサミで切って収穫します。

また、朝に収穫した方がみずみずしくておいしく味わえるので、早い時間帯に収穫するのがポイント。

キュウリ表面に発生する白い果粉「ブルーム」

キュウリの白い粉プルーム

キュウリ表面に発生する白い果粉を「ブルーム」と呼びます。(主成分はケイ酸)

ブルームは、果実の水分が奪われるのを防ぐためにキュウリが出すもので、食味には関係ありません

しかし、消費者にはブルームがないキュウリの方が好まれるため、ブルームの発生しない「ブルームレス」品種や、ケイ酸吸収の悪い台木を利用した苗などもあります。

あっという間に大きくなるキュウリ

大きくなりすぎたキュウリ

キュウリは株につけたままにすると、あっという間に大きくなります。

(開花後3〜4日はゆるやかに肥大しますが、5〜6日目には1日に2倍近い大きさに肥大。果実が肥大するのは、昼間よりも夜間です。)

未熟果を食すキュウリは、開花後7日〜10日が収穫の目安です。

収穫が遅れて果実が肥大すると、養分を種に集めるため他の結実が悪くなります。

そのため、こまめに収穫していくことが大切です。

収穫したキュウリのトラブル事例

先細りや曲がり果などの奇形果

キュウリの奇形果

株が老化して根の活性が落ちると、先細りや曲がり果が増えてきます。

そうならないよう、株が小さい内はわき芽・花芽を摘んでおくことで、根茎を充分に発達させておくことが大切です。

また、肥料・水分不足が原因の場合もあるので、追肥・水やりは随時行います。

尚、奇形果は見つけたら早採りして、樹の負担を軽くしてやりましょう。

それぞれの生理障害の主な原因は、次のようになります。

  • 曲がり果・・・株の老化、摘葉しすぎ、日照不足、肥切れ
  • 尻細り果・・・水分不足、単為結果性が低い品種の受粉障害
  • くくれ果・・・草勢が低下したときに高温・乾燥が続く

発生しやすい病害虫

キュウリに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

ウイルス病

葉に緑の濃淡のモザイク症状が出て、生育や着果が悪くなります。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

うどんこ病

葉の表面に、薄く白い粉状のカビが発生します。

⇛ うどんこ病の症状と対策・予防法

黄化えそ病

葉が黄化してえそ斑点を生じ、症状が激しいと株全体が枯れてしまいます。

原因ウイルスをミナミキイロアザミウマが媒介します。

⇛ 黄化えそ病の症状と対策・予防法

菌核病(きんかくびょう)

白い綿状のカビに覆われ、やがて表面にネズミの糞のような黒い塊(菌核)ができます。

⇛ 菌核病の症状と対策・予防法

つる割病

下葉がしおれ黄化します。症状が進行すると株元の茎が縦に割れ、カビが発生します。

⇛ つる割病の症状と対策・予防法

苗立枯病(なえたちがれびょう)

主に育苗時に、苗の地ぎわ部が軟化し腐敗します。

⇛ 苗立枯病の症状と対処・予防法

べと病

キュウリに発生したべと病

キュウリで最も被害が大きい病気。

葉に多角形の黄色い病斑ができ、裏面にすす状のカビが発生します。

⇛ べと病の症状と対策・予防法

害虫

ミナミキイロアザミウマ

新芽や新葉のすき間に体長1〜2mmの小さな成虫や幼虫が寄生し、吸汁加害します。

黄化えそ病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

⇛ アザミウマの特徴と対策・予防法

アブラムシ

体長1〜4mmの小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。

モザイク病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

⇛ アブラムシの特徴と対策・予防法

ウリハムシ

ウリハムシ被害を受けるキュウリ
キュウリの果実を食害するウリハムシ

体長7〜8mmで茶色の甲虫が、葉をや果実を食害して穴だらけにしてしまいます。

⇛ ウリハムシの特徴と対策・予防法

オンシツコナジラミ

体長2〜3mmで白い羽の虫が群棲し、葉を吸汁加害します。

⇛ コナジラミの特徴と対策・予防法

ネコブセンチュウ

根に寄生し、根を腐らせたり葉を枯らせる土壌病害虫。

⇛ センチュウ類の特徴と対策・予防法

テントウムシダマシ

テントウムシダマシ

益虫のテントウムシと違い、黒い斑点が28個と多いのは害虫のテントウムシダマシ。葉を食害します。

⇛ テントウムシダマシの特徴と対策・予防法

ナミハダニ

肉眼で見えないほど小さい虫が葉裏に寄生して吸汁加害し、葉に白い斑点ができます。

⇛ ハダニの特徴と対策・予防法

ハモグリバエ

ハクサイについたハモグリバエ
乳白色の幼虫が歯肉の中から葉を食害し、葉の表面に絵を描いたような白い筋状の食痕を残します。

⇛ ハモグリバエの特徴と対策・予防法

ワタヘリクロノメイガ

体長25mmほどの緑色をしたイモムシ状の幼虫が、葉や花を食害します。

⇛ メイガ類の特徴と対策・予防法

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