トウモロコシ栽培

トウモロコシの栽培方法・育て方のコツ

トウモロコシ栽培

家庭菜園の初心者の方向けに、トウモロコシの栽培方法を写真とイラスト付きでまとめています。

トウモロコシ栽培の特徴、栽培時期、栽培手順・育て方のコツ、発生しやすい病害虫と対策など。

トウモロコシ栽培の特徴

種類 科目 好適土壌pH 連作障害
トウモロコシ イネ科 6.0〜6.5 連作可能

高温で日当たりがよい場所を好み、真夏に収穫が楽しめるトウモロコシ。

鮮度が落ちやすく、もぎたての実をその日のうちに食べるのが一番なので、ぜひ家庭菜園で挑戦してみたい1つ。

確実に受粉させること、実に害虫がつくのを防ぐことが成功のポイントです。

栽培のポイント

  • 受粉率を高めるために、同じ株数でも1列より2列に並べて植える方がいい
  • アワノメイガの被害を抑えるために、受粉に必要な分を残して雄穂は早めに切り取ってしまう

トウモロコシの栽培時期

トウモロコシの栽培時期・栽培スケジュールは次のようになります。

育苗して植付けた後、直播きで時期をずらすことで、長期間収穫が楽しめます。

トウモロコシの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

トウモロコシの栽培方法

トウモロコシの栽培方法は、次のような流れになります。

種まき・育苗

トウモロコシの種
トウモロコシの種をポットまき
トウモロコシの育苗
トウモロコシの苗

ポットに3粒ずつ、指で1cmの深さに押し込んで種をまきます。(種は、発芽しやすいように、尖った方を下に向けます。)

軽く土をかけ、たっぷりと水をやります。

ポット苗は、そのまま暖かい環境で育苗します。

⇛ 庭やベランダで作る簡易な育苗ハウス・ビニール温室

発芽した株は、間引かずに3本とも育てます。

土作り

トウモロコシは光を好み、日陰を嫌います。そのため、朝日と夕日がたっぷり当たるように、畝は南北に作ります。

根が深く張り、肥料を好む野菜なので、しっかり施肥して深くまで耕します。

2列で植える場合は、株間30cm、畝幅90cmを確保して畝を立てます。

pHは6.0〜6.5が目安です。

肥料

肥料には、「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

尚、窒素が多すぎると実のできが悪くなるので注意。

植え付け

トウモロコシ苗の植え付け
トウモロコシ苗の植え付け

ポットまきから3〜4週間、草丈15cm程度で定植します。

ポットをはずして1本ずつに分けたら、株間30cmで植え付け、たっぷりと水をやります。

また、トウモロコシは他の株の花粉を受けて受粉する(他家受粉)ため、2列植えがオススメです。1列だと受粉率が低くなり、3列にすると中央が日陰になって生育が極端に悪化してしまいます。

直播きの場合

トウモロコシの直播き

畑に直播きする場合は、株間30cmで3粒ずつまき、草丈15cmで間引いて1本にします。

トウモロコシはまとめて種まきすると発芽率がよくなるので、ポットまきの場合も、畑に直播きする場合も、1穴に3粒をまきます。

トウモロコシは栽培できる時期に幅があるので、種まきを少しずつずらせば、長期間の収穫が可能になります。

また、種は鳥に食べられることもあるので、防虫ネットや寒冷紗を掛けておくと良いです。

連作障害・コンパニオンプランツ

トウモロコシは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。

また、トウモロコシには、「アワノメイガ」の幼虫が寄生して実を食害します。

そこで「コンパニオンプランツ」として、マメ科の野菜(インゲン、エダマメなど)を混植することで、アワノメイガが寄り付かなくなる効果があります。

追肥・土寄せ

トウモロコシの土寄せ

トウモロコシは、地上部の節から枝根が発生します。

その枝根から吸水し水分を確保できるよう、しっかりと土寄せを行います。

また、トウモロコシは背が高くなるので、土寄せは倒伏防止にもなります。

1回目

草丈40〜50cm、本葉5〜6枚の頃、1回目の追肥をします。

この頃は、雌穂が分化する直前で、ここで穂の大きさと粒の数が決まります。

追肥は畝の肩に施し、株元にしっかりと土寄せをします。

2回目

株の先端に雄穂が見えた頃、2回目の追肥・土寄せをします。

この頃は、雌穂からヒゲ(錦糸)が出る1週間前にあたり、受粉に備えて草勢をピークに持っていくための大切な時期です。

草丈も高くなってきているので、株元にしっかりと土寄せをしておきます。

わき芽かき(除げつ)は行わない

トウモロコシのわき芽

株元からはわき芽(分げつ)が出てきますが、わき芽かき(除げつ)はせずに残しておきます

わき芽を残すことで樹が安定し、より多くの葉で光合成が活発になります。

また、後述のように、雄穂と雌穂の出る時期のずれで花粉がなくなった場合でも、わき芽につく雄穂の花粉を使って受粉させることができます。

従来では、一般的にわき芽かきが行われていましたが、近年はこれを取り除かなくても生育・収量に大きな影響がないことが分かり、省力化も兼ねて放任するようになりました。

わき芽かき(除げつ)の利点と欠点

わき芽かきを行うことによる利点・欠点について、補足しておきます。

利点としては、わき芽の数が多い品種では、わき芽が生長しすぎるとそれぞれのわき芽に雌穂ができるため、1果当たりの重量・品質が低下します。これをわき芽かき(除げつ)、除房(雌穂を取り除く)することで、主茎1本・1雌穂にすることで、充実した実を収穫することができます。

欠点としては、わき芽からも支根が発生するため、わき芽かきをすることで耐倒伏性が低下します。また、晩生品種のわき芽は生長も遅く、光合成産物を主茎の雌穂に転流するため、わき芽は雌穂の発達を助けます。そのため、わき芽を取り除くことで、雌穂の発達を妨げる原因になります。

これらを踏まえた上で、葉数の少ない早生品種はわき芽かきを行わない、葉数の多い晩生品種はわき芽かきを行う、というのが良いと思います。

受粉

トウモロコシの雄穂と雌穂
トウモロコシの人工授粉

トウモロコシの雌穂は、他の株の雄穂から飛散した花粉により受粉し、同じ株の間では受粉しにくい特徴があります。そのため、家庭菜園など株数が少ない場合は、人工授粉しておく方が無難です。

雄穂を切り取り、雌穂のヒゲに擦り付けて花粉を付けます。

また、トウモロコシによく発生する害虫「アワノメイガ」は、雄穂に誘引されて産卵し、幼虫が雌穂について実を食害します。

それを防ぐために、あらかじめ受粉に必要な雄穂だけを残して大半の雄穂を取っておく(残すのは10本に1本ほど)、また、受粉が終わったら雄穂を切り落としておきます。

受粉後は、収穫まで土を乾かさないように水やりを行いましょう。

受粉がうまくできていないと、先端部に粒がつかないことや、部分的に歯抜けになったり、大きさが不揃いになります。

受粉がうまくいかない理由

受粉ができない主な理由の1つに、雄穂と雌穂の開花時期のずれがあります。

トウモロコシは、株の先端につく雄穂が先に開花し、その数日後に雌穂のヒゲ(錦糸)が伸び出します。また、ヒゲの位置が内側になり、花粉は風によって運ばれるため、同じ株の花粉では受粉しにくくなっています。

そのため、トウモロコシは複数列で植えるようにし、また、開花時期のずれを見越して花粉用の株を追いまきするなど、受粉機会を増やしてやりましょう。

異なる品種を近くで育てると交雑する

トウモロコシには、受精した花粉の性質が子実に出るという、キセニア現象があります。

例えば、白い品種の子実に黄色品種の花粉が受精した場合、黄色の子実になってしまいます。

そのため、複数の品種のトウモロコシを育てる場合は、トウモロコシの花粉が飛ぶ距離(100~200m)では育てないように注意しましょう。避けられない場合は、開花時期がずれるように種まき時期を調整するなど工夫が必要です。

摘果(除房)

摘果(除穂)

トウモロコシは1株に2〜3本の雌穂ができますが、実入りのいいトウモロコシを収穫するために、1株に1つの雌穂を残して摘果します。

ヒゲ(錦糸)が発生した頃に、最も生育の優れた最上部の雌穂を残して、他の雌穂はかき取ります。

最近の品種は実が大きくなるので、雌穂を全て残した場合でも、満足できる大きさの実が収穫できます。

摘果した実はヤングコーンとして食べられる

摘果したヤングコーン

下の方についた雌穂は、小さいうちに摘果することで、ヤングコーンとして食べることができます。

ヒゲが出てから1週間ほどの実が食べ頃です。

⇛ 摘果したトウモロコシ、ヤングコーン(ベビーコーン)を食す

鳥害対策

鳥害に遭い実がつつかれたトウモロコシ
トウモロコシに防鳥ネット

果実が肥大してきたら、カラスなどの鳥が狙ってきます。

鳥害対策として、防鳥ネットや糸を張っておくと安心です。

倒伏を防ぐ

トウモロコシの倒伏対策

トウモロコシは草丈が高くなり、根が浅いので、どうしても風で倒れやすくなります。

倒伏を防ぐためには、土寄せをしっかりすることに加え、周囲に支柱を立てヒモを張っておくと、多少の強風でも倒伏を防ぐことができます。

台風の場合は、これでも防げない場合がありますが、ダメージはいくらか軽減できます。

収穫

トウモロコシの収穫
収穫したてのトウモロコシ

雌穂のヒゲ1本1本は、トウモロコシの実の1粒1粒に繋がっていて、熟すと茶色に色付きます。

開花から20〜25日、ヒゲが茶色に縮れてきたら収穫適期です。

目安としては、手で押すと中身の手応えを感じる、または、外皮を少しむいて上部の実の膨らみを見て確認します。

収穫は、実の付け根を切る、または、根元をねじってちぎり取ります。

収穫期を過ぎると実が固くなってしまいます。また、収穫後も数時間で甘みが落ちるので、すぐに食べない時は茹でて冷凍しておくのがオススメ。

また、ヒゲが茶色く縮れてもタワラ(実)がふっくらしていないものは、うまく受粉ができなかったもの。このまま生育させても肥大しないので収穫してしまいます。

秋採りトウモロコシ

時期をずらして、秋に収穫する秋採りトウモロコシ。

トウモロコシの実は、昼間暖かく夜冷え込むと、糖度が一段と高まり甘さが増します。

また、大敵アワノメイガの活動期とずらすことで、食害を抑えられることも大きなメリットです。

寒暖の差が大きくなるのは11月ですが、夜の気温が生育適温を下回ってくるため、10月下旬の収穫を目指したいところ。その場合、8月上旬頃が種まき時期の目安になります。

しかし、春に種をまくのに比べ、異常気温などによる生育不良も多いので、リスク覚悟で余った種を試しにまいてみる程度がオススメです。

ちなみに、うちでも一度試したのですが、ネキリムシにやられてまき直したりと、種まき時期が9月上旬と遅くなったため、充分に大きくならず失敗… 懲りずに挑戦を続けたいと思います。

トウモロコシの秋採り栽培、失敗に終わる

発生しやすい病害虫

トウモロコシに発生しやすい代表的な病害虫と、その対策・予防法をまとめています。

病気

苗立枯病(なえたちがれびょう)

地ぎわ付近の茎や根が腐敗し、やがて株全体が枯れます。

⇛ 苗立枯病の症状と対処・予防法

モザイク病

葉に濃淡のモザイク模様が現れ、ひどくなると葉は縮れて奇形化します。

原因ウイルスをアブラムシが媒介します。

⇛ ウイルス・モザイク病の症状と対策・予防法

害虫

ムギクビレアブラムシ

トウモロコシについているムギクビレアブラムシ

体長1〜4mmの小さな虫が集団で棲みつき、吸汁加害します。

モザイク病のウイルスを媒介するため、注意が必要。

⇛ アブラムシの特徴と対策・予防法

アワノメイガ

トウモロコシを食害するアワノメイガ

トウモロコシの大敵

体長5mm〜2cmほど、黄白色のイモムシ状の幼虫が、雄穂、茎の内部、雌穂に潜り込み、実を食害します。

⇛ メイガ類の特徴と対策・予防法

オオタバコガ

イモムシ状の幼虫が、雄穂、茎の内部、雌穂の子実を食害し、果実を渡り歩きます。若い穂を好んで食害します。

⇛ タバコガ類の特徴と対策・予防法

ネキリムシ

ネキリムシ
体長40mmほどのイモムシ状の幼虫が、地ぎわで苗を噛み切ります。

⇛ ネキリムシの特徴と対策・予防法

アワヨトウ

体長3cmほど、淡緑〜褐色をしたイモムシ状の幼虫が、夜間に葉を食害します。

⇛ ヨトウムシの特徴と対策・予防法

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