ゴーヤ(ニガウリ)の栽培方法・育て方のコツ

ゴーヤ(ニガウリ)の栽培方法・育て方のコツ

家庭菜園の初心者の方向けに、ゴーヤ(ニガウリ)の栽培方法を紹介します。

基本情報

ゴーヤ栽培の様子
科目栽培スタート生育適温好適土壌pH連作障害
ウリ科種、苗20〜30℃5.5〜6.5あり:2〜3年あける

沖縄地方の代表野菜ゴーヤ(ニガウリ)は、苗作りのときの温度に気をつければ、南の地方でなくても簡単に栽培できます。

特有の苦味とシャッキリ食感。夏を乗り切るスタミナ野菜として、また真夏の日差しを遮るためのグリーンカーテンとしても活躍。

ゴーヤチャンプルのような炒めものだけでなく、天ぷらや揚げもの、サラダにしても美味しく食べられます。

栽培のポイント
  • 苗作りは暖かい環境で行い、気温が高くなってから畑に定植する
  • つるが伸びるので、支柱は高さがあるものを、風にあおられないようにしっかり立てる

栽培時期

ゴーヤの栽培スケジュールです。

ゴーヤの栽培時期・栽培スケジュール

上記は目安です。地域や品種により異なるので参考程度として下さい。

4月頃にポットに種をまいて育苗し、5月中旬に畑に定植、真夏〜9月いっぱいまで収穫できます。

栽培方法

ゴーヤの栽培は、次のような流れになります。

種まき・育苗

ポット(9〜12cmサイズ)に2〜3粒ずつ、種を指の第一関節の深さまで押し込んで種をまき、軽く土をかけて、たっぷりと水をやります。

まだ寒い時期の育苗となるため、保温資材を使って暖かい環境で育苗します。

タカショー ビニール温室 庭やベランダで作る簡易な育苗ハウス・ビニール温室

発芽したら本葉2枚の頃に間引いて1本立ちにし、最終的に本葉4〜5枚の苗に仕上げます。

育苗日数発芽適温生育適温
約30日25〜30℃20〜30℃
ゴーヤの育苗管理

発芽率を上げるコツ

ゴーヤの種は、種皮が固くて発芽しにくいため、ペンチや爪切りなどで皮の一部を傷つけ、吸水しやすくします。

ゴーヤの種に傷をつける

そして種を布に包み、一晩水に浸けて休眠打破しておきます。(種の中には大事な胚があるため、種皮以外は傷つけないように注意

土作り

耕運機で耕して土作り作業

植え付けまでに堆肥・石灰・元肥を入れて土作りを済ませておきます。

土壌酸度(pH)の目安は5.5〜6.5です。

肥料

ゴーヤは継続的に肥料を必要としますが、与え過ぎると葉ばかりが茂って花芽が付かなくなるため、施肥量はほどほどに。

肥料は「ボカシ肥」や「マイガーデンベジフル」のようなバランスのとれた配合肥料がオススメです。

植え付け

ゴーヤは高温を好むので、植付けは気温が十分に高くなってから行います。

本葉が4〜5枚出たら畑に定植します。株間90cmほど。つるの先が風で傷まないよう、仮支柱を立てて誘引しておきます。

定植の前にポットごと水につけて吸水させておくか、定植後たっぷりと水をやります。

晴天の暖かい日の午前中に植え付けると、活着がよくなります。

敷きわらマルチ

ゴーヤは根を浅く広く伸ばすので、根を傷めないように畝には敷き藁を敷いておきます。

ゴーヤの畝に敷きわらでマルチング

泥はねを抑え、病気の予防にもなります。

支柱立て・誘引

定植から2週間くらいで、支柱を立ててネットを張ります。

はじめのうちはツルが細く株元に絡み込んでしまうため、ヒモで誘引してやります。

その後は巻きヒゲを伸ばしてどんどん生育するので、放任で構いません。(葉があまり重ならないように適時誘引してやりましょう)

ちなみに、気温が高くなるとともに、どんどん成長し、ゆうに3m以上の高さになります。(写真は3株でこの大きさ)

3m以上の高さに生長したゴーヤ

また、ネットからツルが飛び出してブラブラすると樹が弱るので、飛び出したツルの先端は摘心しておきましょう。

整枝・摘心

ゴーヤの親づるは、子づるに比べると実がつきにくい傾向にあります。

そこで、本葉6〜7枚で親づるを摘心して、子づるを伸ばします。

ゴーヤの摘心・整枝

つるを放任すると過繁茂になり実がつきすぎて大きくならないため、できるだけ上の方にある元気のいい子づるを3〜4本伸ばし、それ以外のわき芽は摘み取ります

MEMO

食べるよりもグリーンカーテンを作ることが目的なら、親づるは高い位置まで伸ばし、ネットのてっぺんまで伸びたら摘心して、あとはそのまま放任します。

追肥

親づるが50cm以上に伸びた頃、株の周りに追肥を施します。

その後は、盛んに収穫するようになった頃を目安に2〜3回に分けて、畝の片側の裾に交互に施します。

受粉・結実

ゴーヤは、同じ株に雄花と雌花がつき、自然に受粉して結実します。

実付きが悪い場合は、朝のうちに雄しべの花粉を雌しべにこすりつけて、人工授粉させると確実です。

収穫

開花から15〜20日くらい、イボイボが盛り上がり、ツヤがある成熟直前のもを収穫します。

ツルを傷めないように、ハサミで切り取って収穫しましょう。

尚、採り遅れると、次の写真のように黄色くなって、いづれ果皮が裂けてしまいます。また、株が疲れる原因になるため、種とりで残す以外は若採りすることを心掛けましょう。

種とり

実を株につけたままにしておくと、完熟して黄色くなり種をとることができます。

フカフカに柔らかくなった実を剥がして、種のまわりの赤い果肉を水洗いし、干して乾燥させてから保存するれば、次の種まきに使うことができます。

ちなみに、完熟したゴーヤは苦味が消え、特に種のまわりの赤いゼリーは同じウリ科のメロンのように、甘い珍味で食べられます。

連作障害とコンパニオンプランツ

連作障害

同じ科の野菜を同じ場所で続けて栽培すると、土壌中の成分バランスが偏って、病気や生育不良になりやすくなる「連作障害」。

ゴーヤは連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を2〜3年あけるようにします。

コンパニオンプランツ

違う種類の野菜を混植することで、病害虫を抑えたり生長を助けるといった良い影響が出る「コンパニオンプランツ」。

ゴーヤと相性のいいコンパニオンプランツには「インゲン」があります。

ゴーヤとインゲンの混植(コンパニオンプランツ)

マメ科植物の根に付く根粒菌が空気中の窒素を固定して土壌を肥沃にし、その養分を利用してゴーヤがよく育ちます。また、ゴーヤがインゲンにつく害虫を忌避する効果もあります。

どちらもつる性野菜なので支柱やネットを有効活用でき、インゲンとゴーヤを交互に植え付けます。

栽培Q&A

生育初期は雄花が多く咲いて雌花は少ないですが、雌花は短日条件でつく性質があるため心配いりません。

6月下旬の夏至を境に短日になりますが、実際は8月頃から盛んにつくようになります。

また、雌花は子づるに多くつくので、親づるを本葉6〜7枚で摘心して子づるを

実がならないのは、授粉していないためです。

つるや葉ばかりが茂っているのに実がならないのは、肥料の与えすぎによる「つるぼけ」が原因です。施肥量を控えましょう。

また、葉が重なりすぎて花が隠れているようだと、飛んできた昆虫が花を発見できず、授粉のチャンスを逃しているかもしれません。つるを丁寧に誘引してあげましょう。

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