コガネムシ被害の症状と対策・予防法

コガネムシ

成虫は葉を食害、幼虫は地中で根を食害する「コガネムシ」類。

その被害症状と生態、対策・予防法をまとめています。

症状と被害

コガネムシが発生しやすい野菜
イチゴ インゲン エダマメ サツマイモ ラッカセイ

幼虫の被害と成虫の被害があります。

幼虫は地中に生息していて、主として植物の根を食害、イモなどもかじられます。特にイチゴやサツマイモで被害が大きくなります。果樹の苗木や幼木を枯死させてしまう要注意の土壌害虫でもあります。

成虫は葉を食害します。葉脈だけ残して網目のように食い荒らされたり、花が群れにかじられたりします。様々な植物を食べますが、マメコガネはマメ科植物の花や葉を、ドウガネブイブイは果樹などの樹木の葉を好んで食べます。

生態

コガネムシ(黄金虫)という名の通り、光沢がある甲虫です。

幼虫の体長は2~3cm、頭部は黒や茶系で体色は乳白色、カブトムシの幼虫にも似ていますが比較するとやや小さい。

コガネムシは世界で約3万もの種類が確認されています。園芸害虫として発生しやすい種類は、アオドウガネ、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ、マメコガネなど。

種類によって異なりますが、主に年1回の発生。

5〜7月に成虫が出現し、土中に産卵します。孵化した幼虫は未熟な有機物を餌にして成長し、大きくなると植物の根も食害します。幼虫の状態で越冬し、春先に蛹になるというサイクル。寒い地方では卵から成虫になるまで2年かかることもあります。

防除方法

対処法

成虫は見つけしだい手で捕まえて駆除します。

幼虫は土中で食害するので被害が大きくなるまでわかりにくいのですが、生育が悪いとき、株を掘って根が明らかに少なければ、付近を掘って幼虫を確認して駆除しましょう。

薬剤を使う場合は、成虫には「マラソン乳剤」などが有効です。散布型で使い易く、広範囲の害虫に効くため、1本あれば何かと便利です。

土中に潜む幼虫には「ダイアジノン粒剤3」が有効です。土に混和させることで、土中に潜むコガネムシの幼虫を退治し予防することができます。

また、コガネムシの成虫を見かけたら、付近に卵を産み付けた可能性が大きいので、「ダイアジノン粒剤3」を植物のまわりの土に混ぜておきましょう。

注意

農薬は「使用できる作物」が決められており、それ以外の作物には使用できません。農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、作物にあった薬剤を選びましょう。

予防法

畑を耕すときに幼虫がいないことを確認しましょう。

また、腐葉土や堆肥の中に成虫が飛来して卵を産みつけるので、有機質肥料を多用すると発生しやすくなります。

特に未熟な有機物が多いと成虫が誘引されて産卵が増えるので、未熟な堆肥や生の緑肥の投入は避けましょう。